トイ・プードルの歴史について。

プードルの原型となった祖先犬は中央アジアに存在していたと考えられています。カールのかかった被毛を持ったこの犬たちは牧畜に携わっており、いろいろな経路をたどってヨーロッパ各地に辿り着いたと言われています。
その後、何種類ものラフ・コートの犬たちと掛け合わせられ品種改良されてきたと考えられています。 初期でもっともプードルに近かった犬種は、フランス、ロシア、ハンガリーなどに分布していた、カールのかかった被毛の「バーベット」という犬種であったと推測されています。
その何種類もの犬の中で、現在のプードルにもっとも影響を与えたのが、ドイツ原産のバーベットと言われています。プードルという名称はドイツ語の「pfudel(水たまり、水がはねる)」に由来しており、プードルが水の中で活動するのに優れていたことを証明されています。
フランスでは、カモ狩りの能力にあやかって「chien canard(カモ犬)」、それが変化した「caniche」などと呼ばれていたようです。
牧畜と、水中での作業を得意としているプードルは、水辺での狩りでその能力を発揮していました。プードルは軍用犬、盲導犬、番犬、大道芸の犬として利用されてきました。また、毛が水に濡れると重くなって泳ぎにくくなるという理由から、心臓の辺りを除いて被毛を刈り込むようになったと言われています。
プードルは優雅な愛玩犬として、流行に敏感な女性達から支持されるようになり、フランスの貴族達から人気を集め、ついにはフランスの国犬となりました。特徴的だった被毛の刈り込みはさらに強調され、より小さいプードルを求めるようになり、プードルを小型化する動きが始まったようです。
19世紀末になると、プードルはショーに出されるようになり、最初はブラッシングをせず、被毛を自然にからませた状態のままで出されていたようで。人目を引くには成功しましたがあまりに手入れが大変だったため、20世紀前半には淘汰されたようです。
その頃、アメリカではプードル人気が下降気味で、特に北アメリカでは1920年後半、絶滅の危機にまで追いやられたようです。その後、1930年代に人気が持ち直し、現在に至ってようやく、人気のある犬種としてプードルの名が広まったようです。